特長
- 30分で41種類のアレルギー検査が可能!
(食物は22種類)
※診療状況によって、検査結果を当日にお返しするのが難しいことがあります。 - 注射せずにできる!
- 1歳からOK!
代表的なアレルギーの病気
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- 食物
アレルギー - アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
人には病原体からからだを守る仕組みとして「免疫」というものがありますが、アレルギーとはその免疫が人にとって不都合で過剰な反応として出てしまっている状態です。
「アレルギーマーチ」という言葉があり、0~2歳はアトピー性皮膚炎・食物アレルギーが多く、その症状が和らいだら3~6歳で気管支喘息、さらには7歳以降にアレルギー性鼻炎・結膜炎を発症することがよくあります。
仕組みと検査方法
花粉や食物などは、それぞれ固有のアレルゲンがあります。もしAさんがスギの特異的IgE抗体を持っていればスギのアレルゲンに反応し、ヒスタミンなどの各種化学伝達物質が放出されることによってさまざまなアレルギー症状が発現します。
どのアレルゲンに反応してしまうのかは血液検査で調べることができますが、検査が陽性でも、実際は症状が現れないこともあります。
アトピー性皮膚炎を持っている人は気管支喘息にもなりやすいなど、複数のアレルギー症状を持つことが多いです。
最近では、花粉症を発症したために、今まで食べられていた果物が食べられなくなるという症状がよく起きています。
アレルギー性鼻炎
近年アレルギー性鼻炎の低年齢化が進んでいます。
アレルギー性鼻炎は大きく2種類に分かれます。
- 通年性のアレルギー性鼻炎
(ハウスダストやダニ) - 季節性のアレルギー性鼻炎
(花粉症)
花粉症については日本人の4人に1人といわれており、国民病です。
命に関わる病気ではないものの、目のかゆみ、鼻づまりや止まらない鼻水などの不快感は日常生活の質を大きく損ないます。当院では快適な生活ができるように、症状に合わせて治療方法をご提案します。
花粉の量や開花時期は日本気象協会のホームページで検索できます。
薬物療法
症状に合わせて内服薬や点鼻剤などのお薬で症状を和らげます。「1日1回の薬がいい」「眠くなりにくい薬がいい」など、ご希望があればおっしゃってください。複数組み合わせてもなかなかよくならない場合は、他の治療を行います。
舌下免疫療法
スギ、ダニアレルギーに効果の高い免疫療法です。長期間にわたり少しずつアレルゲンを体の中に取り入れることで、免疫を身につける方法です。
くわしくはこちらをご覧ください。
手術療法
鼻の真ん中を仕切る壁(軟骨や薄い骨)が左右のどちらかに強く曲がり、鼻づまり症状をきたしている場合は、鼻中隔の曲がっている部分の軟骨や骨を除去して、鼻中隔をまっすぐにする鼻中隔矯正術という手術を受けることで、症状の改善が期待できます。
またアレルギー性鼻炎などにより、鼻腔内にあるヒダ(特に下鼻甲介という大きいヒダ)が腫れて肥厚性鼻炎となっている場合は粘膜下下鼻甲介骨切除術という手術で下鼻甲介が減量され、鼻通りのスペースが広くなります。鼻汁に対しては鼻汁に関わる後鼻神経の切断術があります。施設によりますが全身麻酔で約5日間~1週間程度の入院で対応されていることが多いです。
食物アレルギーの関係
花粉症を発症したことで、今まで食べられていたもの(特に果物)でアレルギー症状が出ることが増えています。この症状をPFAS(ピーファス)といいます。
症例として多いのが、シラカンバ・ハンノキの花粉症を発症したことにより、バラ科の果物(リンゴ、桃、スモモ、サクランボ、西洋ナシなど)を食べると口がイガイガしたり、下痢や嘔吐などの消化器症状が出てしまうケースです。
すぐに吐き出せば重症化することは少なく、加熱すれば食べられることが多いです。
交互感作する花粉と食べ物は色んなパターンがありますので、気になる方は検査をおすすめします。当院では食物アレルギー分野管理栄養士へのご相談
もできますので、お気軽にお声がけください。
舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎のアレルゲン免疫療
法のうち、治療薬を舌の下に投与する方法です。アレルゲンを含む治療薬を長期間、少量ずつ体の中に取り入れることで、免疫を身に着けていくことができます。
ご自宅で服用でき、高い効果があることから近年希望される方が増加しています。お子様も受けることができます。
※スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
スギ花粉の場合は、花粉のピーク時期(1~5月)は治療を開始できません。ダニアレルギーの場合は、いつでも始められます。
1回目受診
- 医師の立ち会いのもと、錠剤を舌の下に置きます。
- 錠剤をそのまま1分口の中にためて飲み込まないようにします。
- 錠剤を飲み込みます。
- 副作用がおこらないか確認するために、待合室で30分過ごしていただきます。気分不良などあればはやめに受付スタッフにお声かけください。
- 錠剤を飲み込んで30分後に再度診察があります。口の中に問題がないかなど確認し、診察終了です。
1回目の受診から2回目まで自宅での服用
- 錠剤を1日1回舌の下に置きます。置く時間帯はできれば午前中が望ましいです(副作用が起きた時の対処がしやすいため)。
- 錠剤をそのまま1分口の中にためて飲み込まないようにします。
- 錠剤を飲み込みます。
- 錠剤を飲み込んで5分間はうがいや飲んだり食べたりはしないでください。
- 錠剤を飲み込んで30分間は激しい運動やシャワーなど血の巡りがよくなりすぎるようなことはしないでください。
2回目受診
- 診察の時に口の中に腫れがないか、口の中やのどや耳のかゆみ、のどの違和感などの症状が起こったりしていないか確認します。
- 2回目の診察以降は上記のように錠剤を1日1回舌の下に置くことを続け、毎月1回通院していただきます。
少しずつスギやダニのアレルゲンを体の中に取り込んでいき、量を増やしながら体を慣らしていきます。治療には3年以上が推奨されており、量を調節するために月1回の定期的な受診が必要です。
2年間治療を継続した場合、約8割が「症状が軽くなった」「花粉症の薬の量が減った」などの効果があるといわれています。個人差はありますが、毎年悩まされていた目のかゆみ、鼻づまり、涙目などの症状が楽になる可能性が大きいのはとても嬉しいことではないでしょうか。
主な副作用:口の中の浮腫・腫れ・かゆみ・不快感・異常感、唇の腫れ、喉(のど)の刺激感・不快感、耳のかゆみ
重大な副作用:ショック症状、アナフィラキシー症状
- 重症気管支喘息をお持ちの方
- 65歳以上の高齢者
- 妊婦、授乳中の方
- 非選択的β遮断薬を内服している方
- 全身性ステロイド薬を内服している方
- 悪性腫瘍、自己免疫疾患、
免疫不全の方
主な食物アレルギーの症状は、皮膚症状(蕁麻疹、発疹)、粘膜症状(唇やまぶたの腫れ)、呼吸器症状(息苦しさ、咳、喘鳴)、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)、全身症状(血圧低下、意識低下、意識消失)です。
特に呼吸器症状、全身症状の場合は緊急性が高いです。
食べてから2時間以内(多くの場合は30分以内)に症状が現れることが多く、この場合は即時型アレルギーということになります。しかし、いろんな症状の出方がありますので、自己判断せずに受診されることをおすすめします。
はじめて食べてアレルギー症状を起こした食物は、0歳は鶏卵・牛乳・小麦がほとんどです。1歳以降は、外食や加工食品などではじめて食べて症状が出る食物も多いです。このうち重症化しやすい食物、運動することで症状が誘発される食物、加熱することでアレルギーを起こす力が弱くなるあるいは強くなる食物もあります。
食物アレルギーの治療は日進月歩しており、現在は「必要最小限の除去」が基本です。
そのため、食べられる食品はなるべく多くすること、食物アレルギーの原因となる食材も、食べられる量は食べることがすすめられています。
「なんとなく怖いから」と食べるのを遅らせると、むしろアレルギー症状が悪くなる可能性があります。
もし症状が出てしまった場合は、抗ヒスタミン薬などで重症化するのを抑えることができます。処方できるお薬は、ご年齢や体重などによって異なりますので、ご相談ください。
血液検査が陽性でも、実際は食べても症状が出ないことがあります。
そのため、食物アレルギーの確定診断は、①と②の両方が確認できた場合となります。
- ① 特定の食物摂取によりアレルギー症状が誘発されること(問診又は食物経口負荷試験)
- ② その食物に感作されていること(特異的IgE抗体検査・皮膚プリック試験が陽性)
当院には食物アレルギー分野専門認定管理栄養士がおり、乳幼児健診等での相談経験が豊富です。
お子様の症状をていねいに聞き取り、おうちの方にとって負担が少なくなるように食物アレルギーのお食事相談を承りますので、お気軽にご相談ください。
※食物アレルギー分野管理栄養士
食物アレルギーの栄養相談・給食管理の実務経験歴と複数の活動事例が(公社)日本栄養士会に認められ、専門講習を受講し試験に合格することで認定される管理栄養士の呼称。2024年現在、全管理栄養士の約0.2%のみが該当します。